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相続放棄した不動産について

相続放棄をすると相続財産については一切無関係になれる。

そのようなイメージを持つお客様が大多数かと思います。

 

しかし民法は、相続を放棄した者は、放棄によって相続人となった者が相続財産の管理を始めることができるようになるまで、自己の財産と同一の注意をもって財産の管理を継続しなければならない、とも定めているのです。放棄によって相続権を得た者(通常、親や兄弟)が不動産を相続するまでは管理責任は継続するということです。例えばこの期間に、不動産が台風等により、隣人に損害を与えた場合の損害賠償責任が発生する可能性があるということです。

 

ここで問題なのが、次の相続人も全員が相続放棄をして不動産を相続するものがいなくなった場合です。

この場合、財産は国庫に帰属することになりますが、何もしないで勝手に国庫に帰属するわけではありません。

 

国庫に帰属させるためにはまず家庭裁判所に相続財産管理人選任申立を行い、相続財産管理人が不動産の処分を行っていくことになります。

 

相続放棄した相続人としては、相続財産管理人が選任されるまでは不動産の管理責任を負っていることを認識しておく必要があります。この相続財産管理人選任申立にはそれなりの費用が必要になります(平均的には50万から100万程度)。

 

相続放棄をされる際は、このことを十分理解したうえで選択されることをおすすめします。

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